2009年7月18日土曜日

言い訳

中国と日本の間に入って仕事をしてると、小さな違いが意外と大きな誤解に結びついてしまうということをしばしば体験いたします。

先日、日本の競合他社の現地代理人が私が商品を購入している工場へ同じ商品を買いたいと訪れるという「事件」がありました。その工場とはもう何年もの付き合いで、日本市場は我々を通じてのみ出荷するというお互いの了解がありましたので、かの工場長はさっそくその会見の様子を私に知らせてきました。

彼は代理人の招待で食事をしながら話し合いをもったのですが、相手がいよいよ本題の生産依頼の話にかかろうとしたとき、彼はある理由をつけてその場を去ったと言いました。その理由とは、「これから妻が出張で家を出るので、子どもの世話をする人がいない。私が子どもの世話をするために家に帰らなければならないので失礼する」というのです。これ、実は中国ではごく普通の言い訳というか、同じ中国人なら誰もが納得する理由なんですね。

同じことを日本人同士で言ったらどうでしょうか?
「たかが」子どもの世話のために商談を中座するというのか! 公私混同もはなはだしい! と、立腹されるのがオチでしょう(笑)。
日本人だと「ちょっと用事がありまして・・・」とか「ちょっと野暮用がありまして・・・」などといいながら断るのが普通ですね。相手もその「ちょっと」がどんなものかとしつこく聞くことはないでしょう。
この言葉を中国人に投げかけると、「おれとの話し合いより、ちょっと、の方が大事なのか!」「おれはちょっと以下の人間なのか!」と喧嘩沙汰になります。
中国では家庭の用事というのは仕事に匹敵するものと考えられているんですね~。このあたり日本とは反対です(笑)。